1963年 神奈川沖浪裏
【世界が認めた波】北斎「神奈川沖浪裏」が切手に
- 1963年 国際文通週間



誰もが一度は目にしたことがあるのではないでしょうか? 荒れ狂う波と、翻弄される小舟。そして、その奥には雄大な富士山が鎮座する、葛飾北斎の傑作「神奈川沖浪裏」。この世界的に有名な浮世絵が、1963年の国際文通週間を記念する切手のモチーフになったのです。北斎の魂が宿るような力強い波の描写は、小さな切手の中に壮大なドラマを感じさせます。今回は、この特別な一枚の魅力に迫ってみましょう。

1963年の国際文通週間。この年、記念切手の題材として選ばれたのは、日本が誇る偉大な芸術家、葛飾北斎の「富嶽三十六景」の中でも最も有名な作品の一つ、「神奈川沖浪裏」でした。神奈川沖の荒々しい波濤と、それに立ち向かう人々の姿をダイナミックに描いたこの作品は、その芸術的価値の高さから、世界中の人々に愛されています。

切手には、オリジナルの持つ力強い力と、繊細な芸術的なディテールが、見事に凝縮されています。 額縁のように配置された国際文通週間の文字と相まって、一枚のミニチュアの芸術作品と言えるでしょう。

発行枚数は750万枚。これは、過去の広重シリーズよりも多い発行数であり、北斎の作品への 社会的な関心の高さを物語っているのかもしれません。多くの手紙に貼られ、国内外へと送られました

カタログ評価額は700円とされていますが、「神奈川沖浪裏」という世界的な知名度と芸術的価値から、保存状態の良いものは、その額面を大きく上回る価格で取引される「プレミア切手」となっています。